法人企業景気予測調査 時系列データ(BSI項目)

法人企業景気予測調査 時系列データ(BSI項目)

2004年第1四半期~のデータ付き政府統計データのBSI値を使用して、タブローの表計算(差分)表現を解説しています。

データについて

法人企業景気予測調査 時系列データ(BSI項目)
サンプルデータ

<ヘッダーとデータ2行サンプル>

BSI項目,YYYY/MM/DD(調査時期),予測期,YYYY/MM/DD(予測期),企業規模,産業,BSI値
貴社の景況判断BSI,2004/4/1,当期,2004/4/1,大企業,製造業,8.9
貴社の景況判断BSI,2004/4/1,翌期,2004/7/1,大企業,製造業,13.4
[/code]
基本項目

ファイル形式:テキスト (.txt)カンマ区切り
ファイルサイズ:540.67KB
文字コード:Unicode (UTF-8)
ウインドウズのメモ帳で開くことができます。

*エクセルへ変換するとき
A列・C列・E列・F列=文字列
B列・D列=日付
G列=数値(小数)
(テキストファイルをエクセルへ変換する方法)

データ形式:列指向形式
(データ形式について)
列数:7
行数:7.021(ヘッダー行を含む)

データ内容
A列BSI項目4種類
・貴社の景況判断BSI
・国内の景況判断BSI
・設備判断BSI
・従業員数判断BSI
B列YYYY/MM/DD(調査時期)法人企業景気予測調査実施時期
四半期ごと
日付は各四半期の期初日付
C列予測期法人企業景気予測調査実施時期を当期として翌期、翌々期
D列YYYY/MM/DD(予測期)予測期を日付にしたもの
日付は各四半期の期初日付
E列企業規模3種類
・大企業
・中堅企業
・中小企業
F列産業3種類
・全産業
・製造業
・非製造業
G列BSI値小数点1ケタまであり

<データ出典>
政府統計の総合窓口「e-Stat」(https://www.e-stat.go.jp/)
企業・家計・経済>法人企業景気予測調査>時系列データ(BSI項目)>2020年度を加工して作成

BSIについて

BSIとは

Business Survey Indexの略。景況判断指数のひとつで、企業に対し自社企業の業績や景況、従業員数などの判断・見通しについてアンケートを実施し、「強気(上昇、増加、改善)」と回答した企業の構成比から「弱気(下降、減少、悪化)」と回答した企業の構成比を差し引いて算出する。数値がプラスであれば見通しが明るい、マイナスであれば見通しが暗いと判断する企業が多いことを示す。

野村證券 証券用語解説集

<本データのBSIの定義>
・貴社の景況判断BSI
 =前四半期と比較しての「上昇」-「下降」

・国内の景況判断BSI
 =前四半期と比較しての「上昇」-「下降」

・設備判断BSI
 =期末時点での「不足」-「過大」

・従業員数判断BSI
 =期末時点での「不足気味」-「過剰気味」

もとデータ
「前四半期と比較」というところがミソです。

 A列が調査を実施した年、B列がその四半期を示します。
 つまり、「当期」の列の値は、調査をしている年期(現在)の景況が前期と比較して「上昇」か「下降」か?について答えた回答数をBSI値へ変換したものです。

赤色の枠内の値が令和2年Q2の景況BSI値です。

 現在が令和2年Q2だとします。現在の景況BSI=マイナス47.6だから前期(令和2年Q1)よりも下降しているという判断をしている企業が多いといえます。
 言い換えると「今期の業績は前期よりも悪化する」


 令和2年Q1の調査時点での令和2年Q2景況判断BSI=マイナス4.4でした。つまり3か月ほど前の判断を覆すようなコロナ禍に見舞われてしまったということだろうと思います。
 言い換えると「こんな酷いことになるなんて想像だにしなかった」

ここまで書いてみて疑問発生

 例えば自社の売上高を景況判断の基準にしているとします。BSIの説明を読む限りでは「上昇」「下降」の基準売上高は調査期の直前の四半期(調査期マイナス1Q)であろうと思われます。

 画像のように青色破線矢印線は調査期(今期)よりも「上昇」しています。ただし前期(マイナス1Q)よりも「下降」しているわけでして・・・このようなときは「下降」と回答するのでしょうか?何となく気持ち的には「上昇」と回答したいものなのですが・・・

 想像ですが「前期」という基準が1期ごとに移動して、逆から考えると、翌々期(プラス2Q)の前期は翌期(プラス1Q)、翌期(プラス1Q)の前期は今期(ゼロQ)、今期(ゼロQ)の前期は前期(マイナス1Q)になる。移動計算のようなものだ!として、納得しました。

データ活用方法(タブロー)

景況判断の変化
列シェルフは予測期の四半期です。

トレーニング用データはこちら

 タブローからデータへ接続します。日付が2種類あります。
・YYYY/MM/DD(調査時期)
 景況判断調査を実施した時点です。日付は四半期の期初日(すべて1日)になっています。

・YYYY/MM/DD(予測期)とは、
 YYYY/MM/DD(調査時期)の当期=YYYY/MM/DD(予測期)
 YYYY/MM/DD(調査時期)の翌期=YYYY/MM/DD(調査時期)+1Qの期初日
 YYYY/MM/DD(調査時期)の翌々期=YYYY/MM/DD(調査時期)+2Qの初日

<操作手順>
・「YYYY/MM/DD(予測期)」を列シェルフへ投入します。
・行シェルフのメジャーは「BSI値」です。
・「BSI項目」「産業」「企業規模」はどれか1個をフィルターして選択します。
・「予測期」を色のカードへドロップします。

<分析結果>
・予測期の当期(青い折線)の2011年Q2(現在の横軸はYYYY/MM/DD(予測期))のBSI値はマイナス22.0、調査時期は2011年Q2です。
 当期ですから予測期と調査時期は一致します。

・予測期の翌々期(オレンジの折線)の2011年Q2のBSI値はプラス0.8です。
 このときの調査時期はマイナス2Qですので2010年Q4になります。

 半年前の景況判断ではトントンの見込みでしたが、現在では景況判断がマイナスに大きく振れたといった見方ができるのだろうと思います。

最大2期の差分を分析
基準は「当期」です。

 当期の判断と1期間の判断・2期前の判断の差分を調べます。
<表計算>
・行シェルフへ「BSI」値を追加して表計算をおこないます。
・計算タイプ
 差
・次を使用して計算
 特定のディメンション>予測期
・基準
 当期

<分析結果>
・「BSI項目」のフィルターで「貴社の景況判断BSI」と「国内の景況判断BSI」を選択します。
・「BSI項目」を列シェルフへ投入します。

・当期を基準とした差分計算ですから当期を示す青い折線はゼロで横ばいします。
・赤い折線(翌期)とオレンジの折線(翌々期)の動きが当期の判断との差分を示します。

 「貴社の景況判断BSI」においてはリーマンショックやコロナ禍のような大きな不確実性による影響を除けば概ねゼロ近辺にあるようです。

 半年前の判断は概ね当たる!といえそうです。そうなれば、BSI値は先々の景況を占ううえで重要度が高い指数だともいえそうです。

上段は当期BSI、1Q2QずれのBSIを示します。

 企業規模別で分析します。中小企業のBSIはデータの範囲(2004年以降)、ずっとマイナス圏に沈んでいます。中小企業にとってはポジティブな景況判断に至らない経済環境が続いているようにみえます。

ポストコロナ
それぞれのBSI値を確認します。

 景況は底這いといった感じがします。一方で「従業員数判断BSI」はいまでも、将来も不足気味という判断です。

実質GDPと比較
2つのデータの共通するフィールドを選択します。リレーションするためには「粒度」が一致している必要があります。

 GDPのデータを追加します。「YYYY/MM/DD(予測期)」と「YYYY/MM/DD」でリレーションします。

GDPのサンプルデータはこちら
https://data-analyzer.net/2020/06/11/gdp-2019/

画像のようにフィルターを操作してください。

・列シェルフは「YYYY/MM/DD(予測期)」です。
・行シェルフが「BIS値」です。
・フィルターで「国内の景況判断BSI」「当期」「大企業」「全産業」を選択します。

折線を前期比へ変換します。

 「実質季節調整系列」の「国内総生産(GDP)」をプロットします。メジャー(金額(10億円))の表計算は
・計算タイプ
 割合
・次を使用して計算
 表(横)
・基準
 前の値

これで、実質季節調整系列国内総生産(GDP)成長率前期比になります。

 二重軸にして軸の目盛を調整すると完成です。