スーパーストアの社長になってみる(第2回)
ブレットグラフで目標達成度をみる
2個のメジャーを比較する
タブローで2個のメジャーを比較するとき、代表的なのは折線グラフ、二重軸グラフ、散布図です。折線グラフ、二重軸グラフは時間軸が長期であったり、日別のように粒度が細かいときに便利です。傾向線・予測のときにも有用です。散布図はデータポイントが多いときに有用です、クラスター分析にもつかえます。いずれも直感的に全体の傾向を把握したいという要望にこたえることができるビジュアルです。
今回、紹介するブレットグラフは、粒度が粗くデータポイントも少ないときにいい感じのビジュアルになります。企業の業績なら、時間軸が年度・四半期・月くらいまで。詳細はカテゴリー(部門やセグメント)とかエリアくらいまで、サブカテゴリ―や製品別、都道府県までみたいときはブレットグラフよりも、テキスト表へ色付けしたハイライト表のようなパッと見て全体が見えるビジュアルがオススメです。
ブレットグラフのつくりかた
社長としては売上高の目標達成度をいの一番に見たいと思います。年度別に売上高(実績)と売上目標の2個のメジャーを比較するブレットグラフを作成します。データソース「サンプル-ストア」から売上日を列シェルフへ売上高を行シェルフへドロップします。データソース「売上目標」から売上目標を行シェルフへ入れます。(データブレンドは画像のように売上日だけにします)2つの折れ線グラフができます。
表示形式を表示してブレットグラフを選択します。
行シェルフや軸のタイトルをみてわかるとおり、現在グラフの棒は売上目標を示しています。実績と目標との比較ですから一般的には実績が棒、目標が線です。
棒と線を入れ替えるのは簡単です。左側の軸を右クリック、リファレンスラインフィールドのスワップを選択します。
ブレットグラフは何でできているのか
ブレットグラフの正体は一般的な1軸棒グラフです。2軸のようにみえるのですが、売上目標をあらわす線や背景のグレー色はリファレンスラインです。
軸を右クリック、リファレンスラインの編集から「合計 売上目標」を選択して線であらわさているリファレンスラインを確認してみましょう。
スコープの「セルごと」のセルは、売上日の年、つまり各1本の棒ごとにリファレンスラインを描画するということです。デフォルトで値が「平均(売上目標)」になっているので、右側にあるドロップダウンから「合計」を選択して変更します。「最小値」「最大値」「中央値」なども選択可能です。
書式設定で線の色や太さ破線などに変更できます。
「60%.80%/平均 売上目標」を選択して確認します。こちらは棒の背景になっている色の部分です。パーセンテージのところへ入っている「60,80」の数値は達成率60%までの部分を濃いグレー、そこから80%のところまでを薄いグレーで色付けしましょう、ということです。数値を変更することも、数値を追加することもできます。窓で隠れて見えずらいのですが、色はグレーだけでなくさまざまな色を設定することができます。
目標達成の具合はどうか
フィルターで売上高から返品を除き、純売上高だけを表示しました。残念ながら初年度以外は目標を達成できていません。
実績が目標にたいしてどのていど達成しているのかをあらわす計算フィールドを作成します。
分母の「[売上目標].」(SUM関数のなかの左側部分)はセカンダリデータソース「売上目標」をあらわします。データソース名とメジャー名が同じになっているから、ややこしく見えるだけです。ちなみに、セカンダリデータソースのメジャーを計算フィールドで使用するときは、SUM、AVG、MINのような何らかの集計関数が必須になります。計算フィールドをラベルへドロップして数値を表示します。
既存である、計算フィールド「売上目標の達成」を活用します。計算式はIF関数、実績が目標を上回れば”達成”、下回っていると”不達成”になります。
「売上目標の達成」を色へドロップします。これで売上高実績と売上目標のVIZが完成です。
バー・イン・バーグラフ
メジャーの値が大きく違うとき
バー・イン・バーグラフは、2個のメジャーを比較する方法、二重軸グラフです。社長が売上高のつぎにみたいのは利益高です。そこで売上高と利益高を比較するバー・イン・バーグラフを作成しました。画像は売上高と利益高の軸を同期しています。
このグラフで売上高の推移はよくわかります。ところが利益高の推移がはっきりしない、ダイナミズムがありません。このように比較するメジャーの値が大きく異なるときは工夫が必要です。
軸の同期をやめて、売上高の軸を調整しました。利益高が猛烈に成長しているようにみえます。これはこれで使えるシーンがあります。
棒と折線で
利益高は棒と折線の二重軸グラフで表現することにしました。売上高はブレットグラフがあるから改めて表示するとくどくなります。利益高と利益率で表現してみます。
利益高を棒、利益率を線にして二重軸にしました。線のほうへ利益率の値を表示します。値を表示する位置を調整します。カードの「利益率」を右クリックして書式設定を選択します。
「既定」の部分で変更できます。水平位置・文字列の向き・垂直の位置を設定できます。ラップというのは文字列の折り返しです。
バー・イン・バーグラフをつくる
列シェルフは売上の年、行シェルフへ売上高と利益高を入れます。上下に2種類のグラフができます。形状は上下ともに棒です。一方の棒のサイズを小さく(細く)します。
二重軸を選択したら完成です。
スケールが同じメジャーをつかう
売上高、利益高のように値の大小の差が大きいとき、バー・イン・バーグラフは不向きなことがあります。今回は、創業初年度からの成長率にします。両メージャーへ表計算を追加します。
売上高、利益高ともに、計算タイプを差の割合、表(横)へ計算、基準を最初の値に設定します。
表計算を追加すると色が元へもどってしまいます。別のメジャーとして認識されるようです。色はさておいて、二重軸で左右のスケールが同じときは、一方の軸を非表示にしたほうがスマートになります。
非表示にする方の軸を右クリック、ヘッダーの非表示を選択します。
軸のタイトルも変更しましょう。
メジャーネームも変更しましょう。凡例の「表に従った・・・」文字のところを右クリック、別名の編集を選択します。
開いた窓にあたらしい凡例名を記載します。
棒の色を手直しして完成です。
ダッシュボード
凡例があらわれないとき
ダッシュボードへシートをはりつけたときに、なぜか凡例やフィルターがあらわれないときがあります。何かの手順の関係があるのだろうと思います。
凡例があらわれないときは致傷のシートの▼(下向きの三角)をクリック、凡例から必要なものを選択します。
ダッシュボードのレイアウト調整
シート1の凡例が右端にレイアウトされています。基本的にはグラフの近くへ配置すべきです。グラフのなかにいい感じのスペースがあるので移動します。▼(下向きの三角)をクリック、浮動を選択します。浮動になったコンテナをドラッグして移動します。
個人的に凡例とかフィルターはグラフの左側に配置するのが好きなので、凡例が2個入っているコンテナを移動します。左側のオブジェクトから空白をドラッグして空白を埋め込んで体裁を整えます。
凡例のタイトルは消すか書き換えましょう。
シートのタイトルは自動でシート名になります。解説のためにシート名を残しておきたいので、ダッシュボード上の名称だけ変更します。タイトルダブルクリックして開いた窓へタイピングします。
ダッシュボードのタイトルを入れます。右側上下のグラフの年が一致するようにしたのグラフの右側に空白を入れました。
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